それが、あたかもステージ上に立っているように見えるのは、NTTが研究・開発を進めている、イマーシブテレプレゼンス技術「Kirari!」が使われているからだ。
2015年2月にNTT R&Dフォーラム2015でお披露目された「Kirari!」は、ステージ上に張られた目に見えにくいスクリーンに映像を投影し、立体感を持たせた音響を添えることで臨場感を生み出す技術。この時は、あらかじめ収録された卓球のゲーム映像を投影して、その場でプレーしているように感じさせた。今年のNTT R&Dフォーラム2016では、離れた場所で行われている講演をリアルタイムで中継した。
デモンストレーションではほかに、離れた場所にある体育館で繰り広げられた空手の演武も、リアルタイムにステージ上に投影して、臨場感のあるスポーツ中継の実現性を示してみせた。講演や演武をカメラで撮った際に入る背景を消し、人物像だけを切り抜くようにして中継する技術も新たに開発。これによって事前の加工を必要としなくても、人物だけをリアルタイムで離れた場所に“伝送”できるようになった。