出光興産のエチレンなどの製造設備=4月、千葉県市原市【拡大】
国内の石油化学業界で、プラスチックや合成繊維の原料であるエチレンの生産縮小が続いている。製造拠点の海外移転や人口減少で需要が細り、慢性的な供給過剰になっているためだ。円安による輸出増加で一息ついたが、需給バランスの回復には焼け石に水。生産縮小への一段の設備再編も見込まれる。
出光興産が千葉県市原市で運営する石油化学コンビナート。約382万平方メートルの広大な敷地に高さ約70メートルの蒸留塔や銀色のパイプが視界いっぱいに広がり、年間37万4000トンの生産能力があるエチレン製造設備は、ほぼフル稼働していた。
石油化学工業協会によると、国内のエチレン生産設備の稼働率は3月には28カ月連続の90%超えとなった。輸出が伸びていることが最大の要因だが、国内の需要は逆に減少傾向にある。
エチレンの内需は1997年にはピークの596万トンを記録したが、その後は減少している。2015年の国内需給をみると、生産量が688万トンだったのに対して、内需は494万トンにすぎない。200万トン近くが輸出に回った計算だ。