
2016年3月期連結決算の説明を行うトヨタ自動車の豊田章男社長=11日、東京都文京区【拡大】
トヨタ自動車が再び“試練”の時を迎えている。収益を牽引(けんいん)してきた円安が一転、円高に転じ業績に大打撃となるためだ。しかも取り巻く環境は円高だけでなく、熊本地震に伴う生産影響、新興国経済の減速、タカタ製欠陥エアバッグをめぐる対策費用の増大という「四重苦」が経営に重くのしかかる。“お家芸”とする原価低減で逆風をどうはねのけるか。トヨタの真価が問われる。
「今年に入り潮目が大きく変わった」。豊田章男社長は11日の会見で足元の経営を取り巻く外部環境の変化にこう危機感を示した。
減益要因9000億円超
念頭にあるのは年初から急速に進んだ円高だ。トヨタの場合、対ドルの円相場が1円円高にふれると年400億円の営業利益が吹き飛ぶ。トヨタの2017年3月期の営業利益は前期から1兆1539億円減る見込みだが、うち円高だけで9000億円超もの減益要因になる見通し。前期は円安で逆に1600億円の増益要因となっていたので「為替の影響がやはり大きい」と伊地知隆彦副社長も会見で認めざるを得なかった。