井戸がひとつ増えるだけでライフスタイルが変わる
2007年から毎年同時期に実施される「1L for 10L」は「子どもたちの命や健康を守るために清潔で安全な水を届けたい」というユニセフの活動にボルヴィックが賛同したことから始まった。その対象として、大きな水問題を抱えているアフリカ、中でも“持続的な”活動を目的に、当初比較的活動のしやすかったマリへの支援を決めた。ボルヴィックを購入するだけで手軽に社会貢献に参加できるというわかりやすいコンセプトで年齢や性別を問わず共感を呼ぶ。
その結果、昨年までの9年間で47億リットル(ボルヴィックがユニセフの支援を通じて作った井戸から10年間にわたって供給される水の総量を元に算出)の支援を実現させた。
「2016年4月時点では、手押しポンプ付の深井戸90基が建設され、故障していた井戸169基を修復しました。ソーラーパネルを利用して水をくみあげる給水設備を設置した施設も18基あります。9年で新設・修復した井戸は277基、約28万人の方々に清潔で安全なお水を提供しています」(中丸氏)。
清潔で安全な水が使えるようになったことで、人々は日常的に洗濯をし、安心して料理ができ、体を洗い、衛生的で健康な生活を送れるようになった。2007年には約300件だったメジナ虫病の発生件数が年々減少し2015年には5件にまで減ったという。
メジナ虫病は、泥やほこり、ゴミなどで汚れた不衛生な水が原因で発生する寄生虫病。メジナ虫は水に混じるミジンコの一種を媒介して人の体に入り、1mほどに成長して最後は皮膚を破って出てくるという。死に至ることは少ないものの、仕事や家事など普段の生活がままならず大きなダメージをもたらす。
多くの人がかかっていた病が井戸の増加で減少するということは、人々の生活が劇的に変わることになるのだ。現在までに、本プロジェクトで井戸のできたコミュニティでは、新たにメジナ虫病の発生はない。
ちなみに、500mlのボルヴィック1本分の支援で、マリの家庭で1人が1日に使う水の4分の1相当が生まれるという。