【高論卓説】シャープ、引責辞任のない不思議 歴代トップの失敗が招いた身売り (2/4ページ)

2016.5.17 06:50

シャープの高橋興三社長=12日、東京都港区(寺河内美奈撮影)

シャープの高橋興三社長=12日、東京都港区(寺河内美奈撮影)【拡大】

 液晶事業への過大投資の直接責めを負うべき片山氏は社長交代の記者会見で、「社外を担当する」と会長職に意欲を見せていた。現在は日本電産の代表取締役副会長に納まっている。

 記者会見で片山氏と笑顔で握手を交わして引き継いだ奥田氏は、13年の社長退任の記者会見でこう述べていた。「私は経営再建を指揮する社長として最低限の責任を果たせたと思う」。「今日を新生シャープの初日として頑張って行く」と宣言までした。

 現在の高橋社長は1年目こそ黒字だったが、その後2年で合計4783億円余りの純損失を出した。追い詰められた同社は自立再建を断念して、鴻海の傘下に入ることになったわけである。

 記者会見で経営責任を問われて「2年連続、大幅な赤字で非常に申し訳ないと思う」と陳謝した。だが「今、私の責任は、自主再建は無理なので、鴻海との提携を予定通りクローズ(出資金払い込み完了)することだ」と付け加えた。

”ここ”に早期にメスを入れていれば違う選択肢があっただろう

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