原発専業の日本原子力発電が25日発表した2016年3月期の連結決算は、最終損益が12億円の黒字(前期は30億円の赤字)となり、2年ぶりに黒字に転換した。保有する原発は全て停止したままで発電量はゼロだったが、電気の販売契約を結んでいる大手電力から受け取る「基本料金」と人件費削減などの合理化策で利益を確保した。また、これまで進めてきた燃料となるウランの在庫売却が一段落し、前期に43億円計上した特別損失が13億円に減少したことも利益を押し上げる要因になった。
売上高は前期比13.5%減の1149億円。売電先の東京電力ホールディングス、関西電力など大手電力5社から原発の保守費用や人件費として受け取った基本料金が1126億円と大半を占める。
今期の基本料収入については明らかにしていないが、原発の再稼働が見通せない現状を踏まえ、村松衛社長は記者会見で「大変厳しい経営状況だ」と述べた。