「セブン&アイ・ホールディングス新体制発足に伴う記者会見」会見終了後フォトセッションする、左から後藤克弘(代表取締役副社長)、井阪隆一(代表取締役社長)、古屋一樹(セブン-イレブン・ジャパン代表取締役社長)=26日午後、東京都千代田区神田美土代町(山崎冬紘撮影)【拡大】
ただ、入社からコンビニエンスストア事業のみに携わってきた井阪氏のグループトップとしての経営手腕に、総会に参加した株主からも「未知数」との指摘が多く出た。井阪氏を解任するとした鈴木氏を支持した役員も残っている。
また、鈴木氏による世襲の動きを批判していた米投資ファンドのサード・ポイントは、不採算店40店を閉鎖するとするイトーヨーカ堂の改革では不十分だと指摘。そごう・西武もグループからの早期切り離しを求めている。
井阪氏は新たな構造改革案とグループ成長戦略を策定する考えも打ち出したが、鈴木氏の路線を基本的に踏襲する考えの井阪氏と、経営資源をコンビニに集中させるよう求めるサード・ポイントの描く未来は異なる。
井阪氏が進める改革の具体化やスピードに対して、サード・ポイントは揺さぶりをかけてくるのか。さらには鈴木氏を支持するグループが造反の動きに出るのか。井阪体制は不安要素を抱えての船出となる。