freee代表取締役の佐々木大輔氏【拡大】
--1か月では会計ソフトとしてあまり意味がありませんよね
「そうとも言えません。フリーのユーザーには、請求書発行と年に一度の確定申告のためだけにソフトを使いたい人もいるからです。無料プランでもデータを簡単に入力でき、そうするとフリーが正しい書式で出力してくれるので、そういう人にとっても役立ちます。とはいえ、機能やサポートの充実しているプレミアムプランやビジネスプランでも月額3980円と手ごろなので、ユーザーの多くが有料プランにアップグレードしています」
--最初は営業マンなしでユーザーベースを広げていったとか。難しかったのではないですか
「想像されているよりも簡単だと思います。個人事業主や従業員5人に満たないようなスモールビジネスでは、打ち合わせに時間を割いて新しいプロダクトのプレゼンテーションを聞くような時間はありません。フリー自体も少人数のチームでしたから、最初は電話番号すら持っていませんでしたよ」
--電話サポートなしですか
「はい。最初はただそれに割く人員が足りなかったんです。今でもチャットとメールサポートの方が主です。リリース当初の機能制限はいろいろあって、最初はグーグルのクローム(ウェブブラウザー)にしか対応していませんでした。僕たちのユーザーはアーリーアダプター(初期採用者)で、そうした制限があってもシンプルなフリーのコンセプトを気に入ってくれました」