freee代表取締役の佐々木大輔氏【拡大】
◆小ビジネスに焦点
--なるほど。そこから、どのように信用を高め、リリース3年で60万事業所の利用実績を築くまでになったのですか
「成長が信用を高めます。何万もの事業体がアカウントを作り、フリーが成長している様子を目の当たりにした企業は、僕たちのビジネスがうまくいっていることを認め、正体の分からないスタートアップではなく安定したビジネスとして僕たちを見るようになりました。もちろん今ではフリーに営業チームがいますが、いくら営業の電話をかけたり、パワーポイントのプレゼンテーションをしたりしても、企業からの信用を勝ち取ることにはなりません。実績の方がずっと効果的なんです。会計事務所向けに認定アドバイザープログラムを開始したことも役立ちました。公認会計士や税理士を招いて、フリーのオフィスや、遠隔ならウェブ経由でソフトの特徴や操作方法を説明するセミナーを開いています」
--会計事務所の人たちは、フリーのスタッフがTシャツを着た若い人ばかりで驚いたのでは
「そうですね、とても。でも、公認会計士や税理士の人たちは、会計ソフトの業界が長年まったく変わっていないことにもちろん気付いていて、飽き飽きしている人もいました。たとえば、フリーはクラウド型なので、アップルのMacで動かせる初めての会計ソフトでした。それまでは、事業にMacしか使っていない個人事業主やスモールビジネスの社長が経理の相談に来たら、会計士さんたちは「まず、ウィンドウズPCを買ってください」とアドバイスしていたんですから」