米紙ニューヨーク・タイムズによると、スタンフォード大で情報処理を学ぶ大学院生が、ある企業から年俸100万ドル超での就職を提示されたケースもある。
日本は人工知能の研究者が少ないわけではない。米国を中心とする国際学会の会員が5000人以上なのに対し、日本の人工知能学会も約4000人に上る。ただ、産業技術総合研究所の辻井潤一人工知能研究センター長は「人数だけではだめだ」とくぎを刺す。社会を激変させる研究には、欧米のように社会の未来像まで描ける人材が必要と強調する。
国は出遅れを挽回するため、新たな体制づくりを急いでいる。文部科学省は今年4月、理化学研究所内に「革新知能統合研究センター」を新設。国の戦略会議と連携して人材育成や産業との橋渡し、従来の縦割り行政では困難だった他省庁との合同研究に取り組む。
センター長に就任した杉山将東京大教授は「欧米の後追いではなく、世の中を変える革新的技術を作り、フロントランナーを目指す」と意気込む。
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日本に勝ち目はあるのか。人工知能学会の松原仁会長は「ネット上の情報蓄積を収益に結び付けたグーグルやフェイスブックのビジネス手法は曲り角を迎えており、そこに日本のチャンスが生まれる」と話す。