英語が公用語?シャープ社内の力関係に逆転現象 忍び寄るリストラの恐怖 (2/4ページ)

2016.6.11 17:10

にこやかに会見したシャープの高橋社長(右)と鴻海の郭台銘会長だが…

にこやかに会見したシャープの高橋社長(右)と鴻海の郭台銘会長だが…【拡大】

  • 12日に鴻海の郭台銘会長(写真中央)とシャープ次期社長の戴正呉副総裁(同左)は、人員削減の必要性を訴えるメッセージを送った(門井聡撮影)
  • 記者会見が終わり、顔を近づけて言葉を交わすシャープの高橋興三社長(右)と鴻海精密工業の郭台銘会長=2日午後、堺市(門井聡撮影)

 郭会長はシャープ本社などを頻繁に訪れ、会議室で怒号が響くことも珍しくないが、社員らは「生テリー見た?」などささやきあっているという。

 最初から分かっていた

 5月12日には、郭会長とシャープの次期社長への就任が発表された鴻海の戴正呉副総裁から社内LANを通じて「残念なことだが、コスト削減には従業員の削減を伴う必要がある」とメッセージが送られ、リストラの実行が示唆された。

 そもそもシャープが支援企業として鴻海を選択したのは、6600億円に上る拠出規模の多さに加え、郭会長がシャープに対し「雇用を守る」「事業売却はしない」「経営陣は残留」といった好条件を並べたてたことが大きい。

 それがシャープが鴻海の買収受け入れを決議した後になって、直前に受け取った偶発的な債務リストを理由に契約を保留。支援企業に名乗りを上げていた官民ファンド、産業革新機構はすでに撤退していた弱みにもつけこまれ、出資金は1千億円も値切られ、破談の場合、シャープの液晶事業を鴻海が買い取れると読み取れる条項までも盛り込まれた。

郭会長が「日本人に任せたい」と発言していた次期社長も蓋を開けてみれば…

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