節電特典を告知する駅のポスター=17日、東急二子玉川駅(東急パワーサプライ提供)【拡大】
新電力の一部が節電特典を打ち出し、夏の電力最需要期に向けて顧客の囲い込みに力を入れている。電力小売りの全面自由化が始まり2カ月半がたつが、全国で契約を切り替えた世帯は総契約数のわずか約1.8%にとどまる。新規参入キャンペーンもほぼ終わり契約件数の伸びが鈍くなる中、引き続き家庭の関心を引き寄せるためには次の一手が欠かせない。そこで、新電力は節電の定着に目をつけた特典を起爆剤に、一層の切り替え促進に取り組む。
新電力ベンチャーのアイ・グリッド・ソリューションズ(東京都千代田区)は、電力需要が増える夏の昼間に家庭向け電力販売で提携するスーパーマーケットに来店すると特典を付与するサービスを始める。
電力需要が急増し、卸電力市場で電力調達価格の高騰が見込まれる場合、顧客にメールを送信。指定した時間にスーパーに行くと、スーパーのポイントや5回の来店でたまご1パックがもらえる特典を提供する。節電意識の高い消費者に来店を促すとともに、電力調達量を抑え原価の高騰を防ぐ狙いもある。
電力販売の窓口になっている首都圏、中部圏、関西圏の提携先スーパー7社300店舗(13都府県)で、8月から9月まで実施する。獲得契約件数とほぼ同じ5000世帯の利用を見込んでいる。