株主からの質問に対応するシャープの高橋興三社長=23日午前、大阪市西区(前川純一郎撮影)【拡大】
シャープの株主総会は、高橋興三社長ら経営陣が起立し、経営危機について謝罪した後、議事に入った。
まず、前方のスクリーンを使って事業報告が行われた。平成28年3月期の連結決算は家電、液晶、太陽電池の不振で売上高は2兆4615億円。「誠に遺憾ながら」と、営業損益は1619億円の赤字、最終損益は2559億円の赤字となったことが報告された。
高橋社長は「中国市場のスマートフォン向け製品の販売減などで売り上げが減少した。東証1部から2部に指定替えの見込みとなり、深くおわび申し上げます」と再び頭を下げた。さらに、「(台湾の)鴻海精密工業との戦略提携で幅広い相乗効果が創出さる。競争力のある商品、サービスで新しい世界を開きたい」と鴻海傘下入りを説明した。
総会後にみずからが退任し、鴻海グループの戴正呉副総裁が後継社長に就任することに言及。「戴氏は日本語が話せる日本通。(4月から副社長に就いた)野村勝明氏は堺ディスプレイプロダクトで4年間会長を務めた。シャープは大きな変革を成し遂げ、早期の黒字化、経営再建を果たせる」と述べた。