日本郵政は23日、昨年11月の上場後初の株主総会をさいたま市のさいたまスーパーアリーナで開催し、人事案などを可決した。ただ、株主からは株価が初値より約2割下がっていることへの不満が出た。日本郵政の長門正貢社長は総会後の記者会見で「これからが本当の出発だ」と強調、郵政グループが厳しい局面にあることがうかがえた。
株主から株価について「上場時に買ったが含み損を抱えている。株価を意識した経営をしてほしい」と注文が付き、長門社長は「迷惑をかけて申し訳なく思っている。やるべきことをやって経営実績を上げたい」と陳謝した。
グループは21日にゆうちょ銀、22日にかんぽ生命が総会を開いた。3社合わせて約180万人の個人株主がいるとされ、1万人の株主が来ても対応できるようにしたが、来場者はゆうちょ銀が886人、かんぽ生命が266人、日本郵政が1194人にとどまった。
それぞれ89%を保有する傘下2社の株式売却に関して、長門社長は会見で「具体的な計画は決まっていないが、50%になるまでなるべく早期に売る」と改めて強調。受け取る配当が減る日本郵政にとって業績にはマイナスだが、「収益力への影響で売り出しを躊躇することはない」と語った。