
日立造船が昭和40年ごろ建造していたタンカー。造船事業は後に本業から切り離した【拡大】
日立造船の得意とする造船技術は、無数の配管や電線、ポンプ、タンクなどを抱える複雑な構築物を取り扱うため、ごみ焼却発電施設にも通じる技術として高く評価されていた。
日本では初めての挑戦だったが、数々の困難を乗り越え、40年、ついに旧市西淀工場の施設を完成させた。その後も国内事情に合わせて技術を改良。着実に納入実績を増やした。
平成22年にはフォンロール社を前身とし、欧州でごみ焼却発電施設のシェア約40%を占めていたイノバ社を買収。海外進出を一気に加速させた。
いまや中東やオセアニア地域など海外も含め、国内・海外で800施設以上の受注実績を誇り、世界トップクラスの地位を占める。
鎌屋氏は「あのまま造船を続けていても、日本の造船の規模は乏しく縮小していた。切り離した判断が生き残りのきっかけとなった」と振り返る。
《日立造船のごみ焼却発電施設》 ごみ収集車でピットに集めたごみを、焼却炉の「ストーカ」と呼ばれる燃焼装置上を移動させ、燃やして灰にする。一方、燃焼で生じた排ガスのエネルギーは蒸気として回収し、蒸気タービン発電機で電気を生み出す。発電した電気は施設外にも送り出す。