日本勢、次世代がん治療で存在感 期待の重粒子線で中韓勢しのぐ高い技術 (2/4ページ)

2016.7.9 07:10

東芝と放射線医学総合研究所が開発した世界初の超電導技術を用いた重粒子線がん治療装置(東芝提供)
東芝と放射線医学総合研究所が開発した世界初の超電導技術を用いた重粒子線がん治療装置(東芝提供)【拡大】

  • 日立製作所が北海道大学病院に納入した陽子線がん治療装置(同社提供)

 東芝はまだ3施設の受注実績だが、1月には腫瘍に対し、360度で好きな角度から重粒子線を照射できる世界初の超電導電磁石を採用した小型・軽量の治療室を開発した。今後、海外での受注獲得を目指す。

 一方、陽子線と重粒子線の両方を扱う日立は米国のトップ5の病院のうち、3カ所に陽子線を納入する。腫瘍を照射するビームを細いまま移動させ、ピンポイントで照射する「スキャニング」と呼ばれる技術で先行する。中村文人放射線治療システム事業部部長は「ベルギーのIBAが扱わない重粒子線を伸ばし、3年後にシェア3、4割を獲得し、トップを目指したい」と意気込む。

 三菱電機は海外受注はないものの、国内実績は十分で日立を上回る10施設に導入し、治療患者数は世界一だ。先端・医療システム部の鈴木邦彦部長は「治療実績と腫瘍を多機能な方法で照射するノズル技術をアピールし、早期に海外で受注を獲得したい」と話す。

高額医療費が壁、メーカー採算割れも

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