
2本をつなぎ合わせるタイプの電柱(関西電力提供)【拡大】
また2本継ぎならば再利用も可能だ。電柱を建て替える際、通常の古い電柱ならば、運びやすさを考えて切断して短くするため、再利用はできない。だが、2本継ぎではボルトを外すだけで短くなり、ボルトをつなげば、ほかの現場で再利用が可能となる。
これまでに関電が設置してきた電柱は、地形、地盤など現場の状況に合わせて開発しており、長さや強度などで変化を余儀なくされ33種類にのぼった。2本継ぎ電柱の採用にあたっては6種類まで整理し、製造や作業の効率化につながっているという。
2本をつなぐことで折れる懸念もあったが、それも解決済みという。先端で力をかけて曲げる「曲げ荷重試験」を実施し、結合部分で壊れないことを確認。通常の電柱と変わらない強度を確保した。
託送料値下げは「敵に塩」!?
関電の送配電部門は2本継ぎ電柱の新設を進める一方で、昨年11月からは新たに張り巡らす電線を銅製から割安なアルミ製に切り替えるなど、コスト削減に努めている。
もちろん、関電が収益改善に不可欠とする原発再稼働がままならないことも理由だ。だが、今年4月に電力小売り全面自由化で家庭向け販売が解禁されるなど電力システム改革の進展が大きな背景にある。