“持ち運び”が便利な関電の2本継ぎ電柱 敵に「塩を送る」ジレンマも (4/4ページ)

2016.7.9 17:13

2本をつなぎ合わせるタイプの電柱(関西電力提供)
2本をつなぎ合わせるタイプの電柱(関西電力提供)【拡大】

  • 2本をつなぐ電柱の結合部分(関西電力提供)

 電柱や電線など送配電部門は、電力業界に新規参入した企業「新電力」も電気を送るために託送料を支払い利用する“公共財”と位置づけられる。平成32年には「発送電分離」で、大手電力から送配電部門は分社化され、単体でも事業性を高める必要が生じる。

 さらに、家庭が支払う電気料金のうち、託送料は3~4割を占めるとされる。このため託送料を安くすることが、電気料金の低廉化を目指した電力小売り自由化の成否を握ると言っても過言ではなく、送配電部門には、さらなるコスト削減が求められる状況だ。

 ただ、託送料の値下げは関電にとって、将来的に収入として見込めなくなるうえ、「新電力」には有利な競争環境を与えることになる。節約の努力が、敵に利することになりかねないジレンマが横たわっている。

 それでも関電は「引き続き電力の安定供給を支えながら、託送料の値下げに努めていく」と強調する。『国内最高値』で管内の関西エリアに電気を供給している関電。電気料金を値下げするなど、利用者に利益還元する日はやってくるのだろうか。

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。