イオンリテールは今年2月、天猫国際で自社ブランド製品の他、大手メーカーの化粧品や日用品の販売を始めた。マツモトキヨシやキリン堂といった大手ドラッグストアチェーンも、売り上げ拡大に力を入れている。
メーカーが直接参入して直販を行うことは、日本国内で取引関係にある小売店などと競合する可能性もある。
実際、多くの人気商品を抱えて売り上げが期待できるメーカーも、まずは商品数を少なめにスタートさせたり、とりあえずはどんな商品が売れるかなどのリサーチを中心に越境ECを利用したりするケースが多い。
今はおむつの販売のみにとどまっている花王の担当者は「商品のラインアップに拡大するかは慎重に検討している」と話す。また小林製薬の担当者は「販売を拡大していきたい気持ちはあるが、現在はどのような商品が人気があるかリサーチなどをメーンに利用している」という。それでも、「流通業者とは国内での付き合いがあるので、刺激しないようなやり方が必要だ」(あるメーカーの担当者)と本音を漏らす声は決して少なくない。
ただ、中国に向けたネット市場を狙うのは、日本のメーカーだけではない。米国はすでに越境ECを通じて日本のメーカーなどを上回る6290億円を売り上げている。今後もECサイト上での競争は激しくなるとみられ、海外メーカーとの競争を考えれば、売り上げ拡大のためにはうかうかしていられないのが現状だ。