
三菱重工業と千葉工業大学が共同で開発した国内初の防爆性能を備えた遠隔操縦ロボット=12日、東京都港区(黄金崎元撮影)【拡大】
企業と大学による産学連携で新たな製品やサービスを生み出す動きが加速している。三菱重工業と千葉工業大は12日、国内で初めて防爆性を備えた遠隔操縦ロボットを開発したと発表した。トンネル事故で引火性ガスが充満する中でも、爆発を起こさずに安全確認や人命救助ができる。こうした産学連携が画期的な製品開発などにつながるケースは多く、日本経済を成長させる上でも重要性が増している。
「最強のコラボレーションで、これまでにないロボットを生み出せた」。三菱重工のエネルギー・環境ドメイン原子力事業部の大西献主幹技師はこう自信を示した。
共同開発したロボットは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受け、千葉工大が開発した、福島第1原発で使用されているロボットをベースに、三菱重工の耐圧防爆技術を融合させた。
長さが71センチ、幅42センチ、高さが54センチで、重さは60キロ。カメラや照明、ガス検知器を搭載し、がれきや階段も乗り越えられる。バッテリーにガスが引火しないように窒素ガスを封入した特殊な容器を採用した。このロボットを活用すれば、トンネル事故があっても換気装置を投入せずに救助などが可能で、人員や作業時間を大幅に削減できるという。