【開発物語】味の素「お肉やわらかの素」(2-1) (1/4ページ)

2016.7.18 05:00

鶏むね肉に「お肉やわらかの素」を振りかけ5分待つと調理後に効果が表れる
鶏むね肉に「お肉やわらかの素」を振りかけ5分待つと調理後に効果が表れる【拡大】

  • 振りかけた物質の効果を調べるため、肉の硬さを測っていった
  • お肉やわらかの素を使った肉(右)では肉汁が閉じ込められ、10~15%大きく焼きあがる

 ≪STORY≫

 ■構想5年 食卓にジューシー食感

 家庭の調理ではどんな困り事があるのだろう-。そんな視点から出発した肉の下ごしらえ用の調理料が、味の素の「お肉やわらかの素」だ。風味付け調味料とは異なり、調理前の肉に振りかけて5分放置すれば調理後の肉を軟らかくジューシーな食感に仕上げる「機能」を提供する。構想から5年目にして発売された意欲作は、国内では家庭向けとしての競合品のない、新ジャンル商品となった。

 「パパッとひと振り、軟らかジューシー。そんなキャッチフレーズに合致する、肉を軟らかくする粉状の商品の技術開発なんて。無理だろう…」

 2012年4月、食品研究所商品開発センターのコンシューマー調味料グループ、山田律彰さんが、企画から開発依頼されたときに抱いた率直な感想だ。

 味の素は11年7月、家庭向け商品の既存ブランドの枠外から次の一手となる新商品を生み出そうと、家庭用事業部に「新領域開発グループ」を新設した。グループ内での検討はゼロから始め、素材別に議論を重ねる中で浮かび上がったのが「肉が簡単に軟らかく、ジューシーになったらうれしい」というアイデアだ。

 続く消費者調査などでは「肉が固い・ぱさつく」「冷めたときに固くなる」という声があった。この問題の解決が消費者の役に立つ新商品の種とばかりに、技術開発への“無理難題”ともいえる依頼につながった。

 食品加工や外食など業務用商品には肉を軟らかくする粉状調理料がある。だが、業務用は粉を水に溶かして漬け込んで使う仕様で、今回の課題解決にノウハウの水平展開はできない。

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