【兵庫発 輝く】モリタ 国内半数を生産 アジア最大級の消防車工場 (2/5ページ)

2016.7.21 05:00

シャシレス工程で消防車が生産されている三田工場。秋から1、2月ごろが繁忙期にあたる=兵庫県三田市テクノパーク
シャシレス工程で消防車が生産されている三田工場。秋から1、2月ごろが繁忙期にあたる=兵庫県三田市テクノパーク【拡大】

  • 中島正博会長
  • 「13mブーム付多目的消防ポンプ自動車」

 車両は自治体からの希望を受けて、オーダーメードで作られる。消防隊員らが作業を行いやすいように、呼吸器やボンベなどの資機材を積み込む場所や、手すりの位置などに配慮。内装の見えない部分のカラーリングまで、細かな設計に基づいて生産する。外観に各自治体のロゴを配したり、各地のゆるキャラのデザインを入れたり、という注文にも応じている。

 工場での生産は、年度末の納期を目指し、秋から1、2月ごろに繁忙期を迎える。それを乗り切ることができるのは、三田工場の広さと、各社に先駆けて取り入れた製造工程「シャシレス」に秘密がある。

 従来は、自動車の骨格にあたる「シャシー」が納入されてからポンプ車やはしご車の車体部分を製造するのが一般的だった。このため、自動車メーカーの納品状況によって、生産が左右されることもあった。

 そこで、車体部分をあらかじめ製造しておき、シャシーと組み合わせる工程、シャシレスを導入した。ポンプ車の心臓部分にあたる送水ユニットのパターン化も合わせて行い、大規模生産が可能になった。実際に11年の東日本大震災では自動車メーカーの製造が一時ストップしたものの、同社では納期の大きな遅れは回避することができたという。

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