
フォードが誇る伝統のスポーツカー「マスタング」(写真:フォード・ジャパン)【拡大】
しかも、近年の欧州フォード製のモデルは世界的な評価が非常に高い。
フォーカスは初代モデルが1998年に登場して以降、世界中で売れに売れ続けており、VWゴルフやトヨタ車などを抑えて「生産台数世界一」に何度も輝いてきた。フォードによると、2011年に発売された現行フォーカスも、12年、13年と2年連続でVWゴルフなどを抑えて世界で最も多く販売された車種になったという。
また、フィエスタが搭載する高効率の997ccターボエンジンは、低燃費とハイパワーを両立し、4年連続でインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞。小型車の秘術でも世界をリードしてきた。
河西編集長は「2000年ごろ、フォーカスに初めて乗ったとき、自分も欲しいと思った。骨太の走りで、クルマとして本当によかった」と振り返る。
自動車ジャーナリストの河口まなぶさんは、「フォーカス、フィエスタといった欧州フォードのFF(前輪駆動)モデルはかつて、ハンドリングの面でドイツメーカーをしのぎ、世界のコンパクトカーのお手本といえる存在だった。安定性と、意のままに運転できる操縦性のバランスが極めて高い」と評価した。
それでも日本では、フォード車は「大きくて燃費の悪いアメ車」というイメージばかりが先行し、人気が盛り上がることはなかった。
「ドイツ生まれ」は小気味よいハンドリング
記者は昨年、フィエスタ、マスタング、エクスプローラーのフォード3モデルを試乗する機会を得た。そして「性能はドイツ車や国産車に劣らない。個性もあって魅力的。もっと売れてもいい」と強く感じた。
特に印象深かったのが、フィエスタ。3気筒の小型軽量ターボエンジンが特徴のコンパクトカーだ。国産車ならトヨタ「アクア」、ホンダ「フィット」などと同じクラスに分類される。