
フォードが誇る伝統のスポーツカー「マスタング」(写真:フォード・ジャパン)【拡大】
また、プレミアムカーにふさわしいボディー剛性が感じられ、ハンドリングも乗り心地も高水準。レザーシート、8エアバッグ、リアビューカメラなど装備面も抜かりはなく、運転中は快適そのものだった。
しかし何といってもマスタングの魅力は、アメリカン・スポーツカーとして歴史を重ねてきたアイデンティティだろう。その名を聞くだけで自由を連想するような、大胆で力強い個性。理屈抜きで胸が高鳴るスーパー・スポーツだ。
SUVのエクスプローラーは、全長5m02cm、全幅2mで、3.5リッターV6エンジンを搭載。パワーも積載能力も余裕たっぷりで、後部座席を電動フルオートで畳めるなど高級装備も盛りだくさん。悪路踏破性は折り紙付きだというが、ゆったりと余裕あるドライブを楽しむための、大人のSUVだと感じた。
「ワン・フォード」へ ブランド統一は道半ば
アメリカ製の大きなフォード車は、アメ車ならではの豪快な魅力を放っている。一方、欧州生まれのフォード車は、性能、品質などの面でドイツや日本のメーカー製にひけをとらず、実際に欧州の市場でも高く評価されている。
しかし、欧州フォードという存在は日本人にとって分かりにくい。NAVI CARSの河西編集長は「国籍ではドイツ車なのに、アメリカ車のイメージが強い。クルマの良し悪しと人気が一致しないことがよくわかる例。それだけ、ブランドイメージの確立が難しいということでもある」と指摘する。
自動車ジャーナリストの河口さんは「販売店やサービス網の少なさ、また商品自体の個性という面で、(他の輸入車と比較して)あえてこのブランドを選ぶ理由があまり感じられなかった」と率直に指摘。「ブレッドアンドバターカー(生活道具としてのクルマ)ならば国産車、という意識も日本の消費者にはあったと思う」と分析する。実用性で国産車と比べれば、輸入車はどうしても割高に感じられることは否めないという。