【神奈川発 輝く】FOMM 独自コンセプト「水に浮く」異彩のEV開発 (1/4ページ)

2016.8.11 05:00

開発中の次世代小型電気自動車を囲む社員には、やる気がみなぎる=川崎市幸区のかわさき新産業創造センター
開発中の次世代小型電気自動車を囲む社員には、やる気がみなぎる=川崎市幸区のかわさき新産業創造センター【拡大】

  • 開発中の電気自動車を前にする鶴巻日出夫社長=川崎市幸区のかわさき新産業創造センター
  • 「FOMMConceptOne」

 ベンチャー各社がこぞって開発を進める小型電気自動車(EV)の世界で、「水に浮く」というユニークなコンセプトで異彩を放つ小型EVメーカー「FOMM(フォム)」。大手メーカーで二輪車開発、1人乗りEVの企画・開発などに携わり、キャリアを重ねた鶴巻日出夫社長(54)が独立を決めたのは、「少しでも多くの人に快適な4人乗りのEVを提供し、EVの魅力を知ってほしい」という熱い思いがあったからだ。

 JR横須賀線新川崎駅から歩くこと10分。多くのベンチャー企業が入居し、FOMMのオフィスも入る「かわさき新産業創造センター」が目に入る。オフィスとは別に、敷地内のガレージには、開発中の小型EVが3台並び、開発スタッフがさまざまなチェックを行っていた。

 鶴巻社長は根っからの技術者だ。小学生時代に、学研の学習雑誌「科学」の付録を自己流に作り込むことに熱中。父親のバイクを借りて乗り、「こんなに簡単に坂を上れるなんてすごい」と感動したことがエンジニアの道へ進ませた。高等専門学校卒業後は、スズキに入社。大好きな二輪車の開発を行いながら、趣味としていたモトクロスバイクで、会社が関わる海外レースの対応も担った。

 ◆二輪から小型車へ

 その後、EV開発のため二輪車開発経験のある人材を募集していた自動車内装部品メーカー、アラコ(現・トヨタ紡織)に転職。ここからEVと関わる人生がスタートし、トヨタ車体(愛知県刈谷市)では1人乗りのEVを手掛けた。さらに移籍したSIM-Drive(シムドライブ、東京都千代田区)では、3人乗りの小型EV企画を進めたが、開発を主体とする同社での量産化が望めなかったため、独立を決意する。

 起業当初から苦難の連続だった。自己資金が少ない中、当てにしていた出資予定者から見送りの連絡が創業初日に入っていきなり窮地に。

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