マツダのデザイナーが語るボディカラーと『匠塗』の秘密 ソウルレッドはこうして塗っていた (3/5ページ)

2016.8.20 07:30

六本木ヒルズに展示されたマツダの人気車種。カラーはもちろんソウルレッドとマシーングレー
六本木ヒルズに展示されたマツダの人気車種。カラーはもちろんソウルレッドとマシーングレー【拡大】

  • マツダのカラーデザインについて語る岡本圭一氏。向かって左にはデザイン本部主幹の田中秀昭氏(左端)と、新型アクセラのチーフデザイナーを務めた玉谷聡氏
  • マツダを代表する歴代の赤いクルマ
  • マシーングレーに塗られた新型アクセラ。できれば晴天の下でボディカラーを見てほしいとのこと
  • マシーングレーの塗膜構成を説明する岡本圭一氏
  • マツダの3層塗装はフレークを平滑化しているため、左のイメージのように光を粒ではなく面で反射する
  • ソウルレッドの塗膜構成。光が透過層を2度通過することで、赤い光の可視化を可能にしている
  • 「体積収縮」を利用して反射膜を平らに薄くすることで、アルミフレークの平滑化に成功した
  • 来場者と交流するカラーデザイナーの岡本圭一氏
  • マシーングレーに塗られた新型アクセラと、マツダのカラーデザイナー、岡本圭一氏

 マシーングレーは「鉄」をイメージして開発された。あらゆる金属の中から鉄を選んだ理由は何だろうか。実はそこにも質感表現に対するこだわりがある。

 「まず、マシーンは本来、鉄から作ってきたので、我々にとって原点に立つという意味があります。また、鉄は精密な加工をすると、精緻感のある美しい表情を出します。加工の仕方によっては、とても暖かみのある色になります」

 「アルミは先進的なイメージがありますが、白っぽく光ってしまいます。我々は造形の陰影感を極めることに注力しています。それを鉄の黒光り感で表現したいという思いから、鉄の表情にこだわりました」

量産ラインで行う『匠塗』

 たくさんのこだわりと思いを込めて開発したカラーをクルマで表現するには、かなり特殊な塗装方法が必要となる。ソウルレッドの「鮮やかさ」と「深み」の両立、マシーングレーの「機械の美しさ」、2つの色に共通する「陰影感」を表現するために、これら特別色をどうやって塗っているのだろうか。これを可能にしているのが、まるで職人が一台ずつ手塗りしたかのような色合いと質感を量産レベルに持ち込んだ、マツダ独自の塗装技術『匠塗』だ。

 一般的な自動車の塗装は、鉄板ボディの上に色味として見える塗料を塗り、その上に透明のクリア層を重ねるツーコート(2層)構成だ。ソリッドと呼ばれるシンプルな赤色を塗る場合は、塗料に赤の顔料を用いる。これをメタリックの赤にする場合は、赤の顔料に光輝材としてアルミフレークを混ぜ合わせるのだ。通常はこのアルミフレークが様々な方向を向いた状態で固まるので、光が当たった時にいろんな方向に反射するのが一般的な輝き方だ。

ソウルレッドの塗装方法は、マシーングレーとココが違う

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