
六本木ヒルズに展示されたマツダの人気車種。カラーはもちろんソウルレッドとマシーングレー【拡大】
これに対してマツダの特別色は、レイヤーを1枚増やした3層工程にしている(※写真5)。マシーングレーの場合は、基本色となる黒をボディに塗る「カラー層」、アルミフレークを噴き付ける「反射層」、仕上げの「クリア層」のスリーコートで構成しているのだ。岡本氏はマシーングレーを例に、一般的な塗装との違いをこう説明する。
「まず我々は、反射層に光が当たった時に一定方向に光るように、アルミフレークを均一に並べる技術を開発しました。アルミフレークがランダムに並ぶと乱反射が起きて光が粒状になりますが、均一に並べると一つの塊として輝くので、先ほど述べた金属の『面』の輝きを実現できます」(※写真6)
「カラー層には漆黒を使い、反射層はアルミフレーク同士の間を少し開けて設計しています。これにより、フレークの隙間を通過した光はカラー層の黒に吸収されるため、鉄のような黒光り感を実現しています」
『鮮やかさ』と『深み』は両立しなかった
では、ソウルレッドは、マシーングレーとどこが違うのだろうか。
「これまで『鮮やかさ』と『深み』の両立は、量産においては困難とされていました。鮮やかなソリッドにアルミフレークやマイカを混ぜて深みを出そうとすると、どうしても鮮やかさが失われてしまいます。では、それをどう打開したのか。塗膜構成はマシーングレーと似ていますが、ソウルレッドは1層目に赤の顔料とアルミフレークを乗せて、2層目に“透明度の高い”赤い顔料の膜を作りました。光がボディに当たった時に、2層目を通った光が1層目で反射して、再び2層目を通過して帰ってくるので、我々は鮮やかで深みのある赤い反射を見ることができるのです」(※写真7)