
7月に先行オープンしたネスタリゾート神戸のホテルの正面玄関=兵庫県三木市【拡大】
カラオケ大手低価格で存在感
若者を中心に人気のカラオケチェーン「ジャンボカラオケ広場」を展開する東愛産業は平成15年に関連会社「湯快リゾート」を設立し、温泉旅館を中心にしたリゾート産業に参入した。こちらは1泊2食付で1人7500円(税別)からという徹底した低価格戦略で成功している。
湯快リゾートは廃業した既存物件を安く取得し、必要最小限の改修でリニューアルさせる。初期投資を抑えるだけでなく、温泉旅館では当たり前だった仲居による部屋への案内を省き、料理もバイキング形式にしてコストを下げている。
一方で、大阪や神戸などの都市部からは各旅館に無料の送迎バスを運行。利用者目線に立った旅館再生として注目を集める。現在は南紀白浜温泉(和歌山県)や三朝温泉(鳥取県)など西日本を中心に25施設を運営している。
リゾートの再生に詳しい石崎祥之・立命館大教授(観光学)は「リゾート再生は注目を集めるが、成功しているところは『明確なコンセプト』や『低価格』など、しっかりとした特徴を打ち出せている」と指摘。そのうえで、「ネスタリゾート神戸が巨額投資に見合う成果が得られるかは、その施設にしかない価値を生み出せるかにかかっている」と話している。