□二輪工場成形ユニットリーダー・坂梨大樹さん
震災直後は製作所への立ち入りが制限され、非常に不安だった。4、5日後に建屋に入ると10トンもある生産設備が何センチも横にずれ、ガラスは割れて、至る所に亀裂が入っていた。率直に言って復旧できるのか、と頭が真っ白になった。
だが、顧客を待たせるわけにはいかないという思いで、まずは在庫を確認して無事なものを(組み立てができる)海外拠点に輸出した。がれきを撤去し、ほこりが舞う塗装ラインは水をまくなど徐々に復旧を進めた。
震災直後に作業服で小学校に長女を迎えに行き、先生や保護者から「早く復旧して元気なホンダの姿を見せてください」と声をかけられた。地元の期待は大きく、一日も早く復旧したいと思った。8月下旬には他の製作所に支援に行った同僚が戻り、全員がそろったことで復旧を実感した。これからも力を一つにして難局を乗り越えたい。