
カネボウ化粧品の新ブランド「KANEBO」を販売する東京都新宿区の京王百貨店【拡大】
もっとも、ここ数年は製薬会社などからの参入が相次ぎ、類似の商品が増えたことで、存在が希薄になっていた面は否めない。夏坂氏は「時代の変化の中で、カネボウも花王(ソフィーナ)も普通の化粧品になってしまった」と、反省を込めて語る。
一体化で強み結集
カネボウを含む花王の化粧品事業は、2015年12月期に約2550億円を売り上げたが、営業損益は赤字に終わった。国内市場が人口減で縮小する中、中長期的な成長には海外進出が欠かせないが、足元の海外売上高比率はカネボウが15%、花王本体は10%程度にすぎず、50%を超える資生堂に大きく水をあけられている。最近の国内市場を盛り上げている中国人観光客らによる爆買いでも、ほとんど恩恵に浴していない。
こうした中、商品改革と並行して進めているのが経営一体化だ。それぞれの強みを伸ばすのが商品改革なら、一体化の狙いは強みを結集することにある。
花王の沢田道隆社長は12年に就任し、夏坂氏をカネボウ社長に送り込んで以降、物流や生産で両社の協力関係を深め、今年1月には販売会社統合にも踏み切った。新研究所開設は、その総仕上げにあたる。