今回、久しぶりに宮川さんの話を聞き、よく知っている内容だが考えることはたくさんあった。
今、クルマは電気自動車、自動運転、情報通信網のハブなどいろいろな点で話題になっている。しかし、当事者が50年前にあったようなロックスター的な扱いを受けることはない。イーロン・マスクはテスラモーターズのCEOであるよりも、起業家としてよりスター的である。
時代はめまぐるしく変化する。
一つのモノが長い間スターであることはない。が、そのモノが輝いていた時代、舞台の上でスポットを浴びていた人たちがどんなに魅力に満ちていたか、これはその時代を知らない世代にも想像できる。
誰がどんな状況で時代を作ったのか、これが人々の関心の的なのだ。蒸気機関車であれ、双発のプロペラ機であれ、コンピューターであれ、それぞれに大きなイノベーションを生んだ科学技術の発達がある。
それはそれで人々を魅了するが、同時に「その時代にどういう生き方をしたのか」という普遍的な面に自分を重ね合わせていく。クルマに興味のない世代の人たちも宮川さんの話を熱心に聞く様子を眺めながら、普遍的であることの意味を深く考えることになった。(安西洋之)
【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)
上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)とフェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih
ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。