NECは14日、新生児・乳幼児の指紋を鮮明に撮影できる機器の試作機を開発したと発表した。発展途上国などで指紋認証による本人確認を正確にできるようにし、病院での取り違えを防ぐほか、出生証明の管理、ワクチン接種や食糧供給などの適正化に役立てたい考えだ。平成29年中の製品化を目指す。
機器は高解像度の画像センサーと、グラスファイバーを束ねて板状にした特殊ガラスを組み合わせ、小さくて細かい新生児・乳幼児の指紋を鮮明に撮影できるようにした。
奥行き7・2センチ、幅3・5センチ、高さ7・5ミリ、重量50グラム未満のコンパクト化を実現。パソコンとコードで接続し、新生児・乳幼児の親指をセンサーの上に乗せ、背面のボタンを1回押すだけの簡単な操作で指紋を撮影し、画像を保存できる。
NECと米ミシガン州立大学が昨年4月からインドで、医療機関などの協力を得て実証実験を1年間にわたり共同実施。生後6時間の新生児から生後6カ月未満の乳児まで100人以上の指紋の撮影に成功したという。