ＮＥＣ試作機開発、赤ちゃんの指紋撮影

　ＮＥＣは１４日、新生児・乳幼児の指紋を鮮明に撮影できる機器の試作機を開発したと発表した。発展途上国などで指紋認証による本人確認を正確にできるようにし、病院での取り違えを防ぐほか、出生証明の管理、ワクチン接種などの適正化に役立てたい考えだ。来年度中の製品化を目指す。

　機器は高解像度の画像センサーと、グラスファイバーを束ねて板状にした特殊ガラスを組み合わせ、小さくて細かい新生児・乳幼児の指紋を鮮明に撮影できるようにした。

　奥行き７．２センチ、幅３．５センチ、高さ７．５ミリのコンパクト化を実現。パソコンとコードで接続し、新生児・乳幼児の親指をセンサーの上に乗せ、背面のボタンを１回押すだけの簡単な操作で指紋を撮影し、画像を保存できる。

　ＮＥＣは昨年４月からインドで医療機関などの協力を得て、米ミシガン州立大学と約１年間にわたる実証実験を共同実施。生後６時間の新生児から生後６カ月未満の乳児まで１００人以上の指紋の撮影に成功したという。