自動運転、日米欧で主導権争い火花 結束か競争か…国際ルールの整備難航 (4/4ページ)

G7交通相会合でトヨタ自動車の自動運転車に乗り込むフォックス米運輸長官=9月24日、長野県軽井沢町
G7交通相会合でトヨタ自動車の自動運転車に乗り込むフォックス米運輸長官=9月24日、長野県軽井沢町【拡大】

 議論進展の鍵となりそうなのは「米国の国内情勢」(政府関係者)だ。米国では5月に自動運転機能を有するテスラ・モーターズの車で死亡事故が起きてから、安全性に対する信頼が揺らいでいる。G7会合直前に出された指針も、米政府が企業の規制に乗り出したサインともとれ、日本政府は「米政府は規制を嫌う企業側と、安全性の担保を求める国民との板挟みになっている」とみる。

 一方で、日本政府は「米国は最終的に自国企業の意向を無視できないだろう」(同行筋)との警戒感を崩さない。G7会合で開かれた民間企業や有識者などの意見をヒアリングする官民セッションでは、「米国側のヒアリング参加者が直前まで固まらなかった」(業界関係者)経緯もあり、米政府の調整力を疑問視する意見も根強い。

 日本にとっても自動車産業は出荷額で主要な国内製造業の約2割を占めるだけに、競争環境に影響を与える国際ルール作りの主導権争いで後れをとることは許されない。

 会合後、国交省幹部から「まだ道のりは遠い」との声が漏れた。結束か競争か。近未来の技術をめぐる議論の行方は見通せない。(佐久間修志)