不動産大手5社の平成28年9月中間連結決算が14日、出そろった。都心などのオフィスビル事業が好調だった3社が最高益となった一方、2社が減収減益と明暗が分かれた。各社の好業績を支えてきたマンション市況の減速が影を落としており、今後の事業展開にも影響を与えそうだ。
全利益項目が中間ベースで過去最高となった三井不動産と三菱地所、住友不動産の牽引(けんいん)役は、都心などのオフィスビル事業。オフィス仲介の三鬼商事によると、都心5区の平均賃料は10月まで34カ月連続で上昇。記者会見した三菱地所の片山浩執行役常務は「約2割の値上げを受け入れてもらえた」と話す。
一方、減収減益となった東急不動産ホールディングス(HD)や野村不動産HDはマンション分譲などの住宅事業が伸び悩んだ。建築コストの上昇が価格に跳ね返っているほか、消費税増税延期も影響しており、両社は今回、通期のマンション計上戸数の見通しを期初から下方修正した。
不動産経済研究所の松田忠司主任研究員は「当面は設備などのコストを抑えることで価格を下げ、需要回復を待つ動きも出てくるだろう」と分析している。