
英半導体設計大手アーム・ホールディングスの技術シンポジウムで講演するソフトバンクの宮内謙社長=2日、東京都港区【拡大】
ソフトバンクグループが買収した英半導体設計大手アーム・ホールディングスは2日、東京都内で技術シンポジウムを開いた。イベント自体は恒例だが、グループ入り後は初めて。国内携帯事業を担うソフトバンクの宮内謙社長が基調講演を行うなど、両社の首脳は連携を深め、「IoT」(モノのインターネット)などの新規需要を取り込んでいく方針を強調した。
宮内社長は講演で、「ソフトバンクが今、力を入れているのはIoT、人工知能(AI)、ロボットだ」と指摘。その上で同社のヒト型ロボット「ペッパー」がけん玉の練習を繰り返し、深層学習(ディープラーニング)により約100回目に成功すると、その後は失敗しないという動画を、AIとの組み合わせによってロボットの可能性を広げる事例として紹介した。
AIで必要となるビッグデータを収集するのに不可欠なIoTに関しては「1兆を超えるIoTデバイスが出てくるのは間違いない。そのコアはアームの半導体だ」と述べた。
アームのレネ・ハース上級副社長も講演で、「モバイル以外にも、サーバー、ウエアラブル端末、自動車などの市場に照準を合わせる。ソフトバンクとビジョンは一つだ」と強調。ソフトバンクグループの傘下に入ったことで投資余力が増し、「エンジニアを増やすことで(事業の)加速度を上げられる」と話した。