「ソフトバンクが拒否」日本通信が憤り 総務省に申立て 週内の有識者会議に注目 (1/3ページ)

日本通信の福田尚久社長
日本通信の福田尚久社長【拡大】

  • ソフトバンクの宮内謙社長

「ソフトバンクが拒否」日本通信反発、MVNO倍増視野

 無料対話アプリのLINEなどの新規参入が相次いでいる格安スマートフォン市場で、ソフトバンクと、大手携帯電話事業者から回線を借りてサービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)の日本通信が対立し、利用者や業界の注目を集めている。日本通信が格安スマホサービス用の回線接続をソフトバンクに拒否されたとして総務省に申立書を提出した。同省の有識者会議はMVNOの一段の普及に向け、週内にSIMロック(携帯端末を自社回線以外で使用できなくする仕組み)をめぐる意見を取りまとめる予定で、これが両社の対立に影響を与える可能性もある。

「接続は端末限定」

 「ソフトバンクが『拒否していない』というのは大変な誤りだ。嘘をついている」。日本通信の三田聖二会長は9月30日、電話会議による記者会見で、憤りをあらわにした。

 同社はソフトバンクから回線を借り、主にソフトバンクのiPhone(アイフォーン)利用者に格安でサービスを提供しようと昨年8月、回線接続を申し入れたが拒否され、今年9月29日に総務省に提出した申立書で協議の再開命令を出すよう求めたという。これに対しソフトバンクは「拒否はしていない」と説明していた。

 日本通信によると、携帯大手3社はMVNOの申し入れに応じて接続する法的義務があるため、ソフトバンクは申し入れに応じる構えだったが、「SIMフリー端末以外は接続できない」と、条件付きで回答してきたというのだ。日本通信は、この条件付き回答に激怒。会見で福田尚久社長は「100の要望に対して、100応えない限りは接続拒否だ」と述べ、端末を限定した上での回線貸し出しは受け入れられないと主張した。

日本通信はなぜ激怒しているのか