アサヒ、欧州軸に海外事業てこ入れ 買収額相応の収益確保が課題 (1/2ページ)


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 アサヒグループホールディングス(HD)が13日、東欧ビール事業の買収を決めたのは、2015年までビール類の国内市場が11年連続で過去最低を更新する中、国内だけで新たな成長戦略を描くのは難しいと判断したからだ。ライバルのキリンHDやサントリーHDは大型買収によって海外展開で先行する。出遅れるアサヒは収益性の高い欧州を軸に、海外事業のてこ入れを急ぐ。

 アサヒは10月、イタリアの「ペローニ」など旧SABミラー傘下の西欧4事業を約3000億円で買収したばかり。買収先の欧州拠点で18年にも主力ビール「スーパードライ」の現地生産を開始する予定だ。相次ぐ巨額買収により欧州でのスーパードライの販路拡大にもつなげる。

 豪州やブラジル企業を買収したキリンHDや、米酒造大手ビームを買収したサントリーHDの海外売上高比率は3割を超えている。

一部報道で買収が伝わると、巨額の投資負担が嫌気され株価が急落