
NECが開発した視線検知技術のデモンストレーションで、モニターに表示された人の目線方向=16日【拡大】
NECは16日、街中や店舗に設置したカメラで人の視線の方向を瞬時に検知する「遠隔視線推定技術」を開発したと発表した。10メートル離れた場所の複数人の動きに加えて目線も正確に追って、興味や関心を分析したり推測できるため、マーケティングや不審者監視に活用できる。通常の監視カメラだけで利用できる。2017年度中の実用化を目指す。
視線の検知はこれまで、赤外線ライトとカメラが一体となった専用装置を使い、近距離から赤外線ライトを目に当てて、その反射の方向から検知していた。今回開発した技術は同社の顔認証技術の中核機能「顔特徴点検出技術」を用いることで、視線検知に必要な目頭や目尻、瞳など目の周囲の特徴点を正確に特定。通常のカメラで上下左右5度以内の誤差で高精度な視線検知を実現した。
街中のデジタルサイネージ(電子看板)の効果検証や、スーパーなど店舗で買い物客の興味を把握して陳列方法に生かすこともできる。また、目線によって不審者を事前に検知して監視を強化したり、災害時の避難誘導標識の最適な配置など多様な分野で活用できそうだ。