キヤノンは19日、東芝の医療機器子会社「東芝メディカルシステムズ」(栃木県大田原市)の買収手続きが完了したと発表した。買収額は約6655億円。海外の競争法規制当局による審査が長引いていたが、全て終了した。
キヤノンは今後、東芝メディカルが持つ画像診断などの技術を活用して医療事業を強化する。関連する新規分野の開拓に向け、さらなる企業の合併・買収(M&A)も検討する。
東芝メディカルは東芝の優良子会社だったが、不正会計問題が発覚して経営危機に陥ったため今年3月、売却を発表した。富士フイルムホールディングスなども名乗りを上げたが、キヤノンが競り勝った。
買収手続きをめぐっては、公正取引委員会が独占禁止法に違反する恐れがあるとして、キヤノンを注意する異例の事態となった。