それ以降、ツイッターの経営の混乱ぶりに拍車がかかり、ついに身売り交渉まで9月に表面化した。米メディアに取り沙汰された米企業は、グーグルの持ち株会社アルファベットやマイクロソフト(MS)、アップル、営業支援ソフト大手セールスフォース・ドットコムなど名だたるIT勢のほか、ウォルト・ディズニーの名前まで挙がった。
ところが、身売り間近とまで伝えられたのが一転、翌月には買い手候補がいずれも撤退したと報じられ、観測は一気にしぼむ。その間株価はジェットコースターのように乱高下した。
今回の幹部流出は、いったん消えたかにみえた火種は実はくすぶっていたことを示しているようだ。そしてその要因はどうやら、そもそもの一連の騒動の発端である人物に行き着く。創業者にして最高経営責任者(CEO)のジャック・ドーシー氏だ。
コステロ前CEOが業績不振で事実上の引責辞任に追い込まれた後、ドーシー氏が復帰したのは15年10月のこと。ドーシー氏は他の共同創業者と内輪もめを起こし、08年にいったん会社を追われていた。復帰後さっそく、全従業員の8%を削減するリストラを断行し、元グーグル幹部のオミド・コーデスタニ氏を会長に招くなどのてこ入れに乗り出したが、求心力は思うように高まらなかった。