--アイルランドの青果卸大手ファイフスに900億円超を投じて買収する
「バナナ事業は従来、日本国内では強みがあったが、ファイフスはバナナで欧州首位、メロンは米国1位のシェアを誇る。生産機能も持つが欧米の販売網機能が主体で天候条件にあまり左右されない。政治的にも安定し、生活関連で手堅い需要のある欧米市場の販売網は魅力的で、ようやく買収のタイミングが合致した。豪州の穀物集荷会社も苦しかったが、昨年出資した中国の飼料用穀物販売会社と新規の穀物取引がスタートするなど相乗効果が生まれている」
--工業団地を通じ日系企業の海外進出を支援する
「中小企業の海外進出意欲は旺盛で、ベトナムやインド、フィリピン、ミャンマーに続き、バングラデシュでも検討している。工業団地は周辺のアクセス道路、発電所、通信網などインフラ整備を現地政府や日本政府とも協力して整備する必要がある。中小企業の会社設立や許認可の代行、物流サービス、入居企業の安全対策もやっていく」
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【プロフィル】中村邦晴
なかむら・くにはる 阪大経卒。1974年住友商事入社。2005年執行役員。常務、専務、副社長を経て、12年6月から現職。大阪府出身。