東芝、“虎の子”半導体を分社化検討 IPOで海外企業の買収攻勢にさらされるリスクも

2017.1.19 05:50

 東芝が主力の半導体事業を分社化し、提携先のハードディスク駆動装置(HDD)大手、米ウエスタンデジタル(WD)などの出資を受ける方向で調整に入った。米原子力発電事業で数千億円規模の巨額損失を計上する見通しとなり、危機的状況にある財務基盤の改善を狙う。だが、損失額次第では、虎の子事業の“部分売却”では済まなくなる可能性もある。

 東芝は「分社化の検討を進めていることは事実」と18日に発表した。早ければ年度内に分社化する。

 分社化を検討するのはスマートフォンなどに使われる記憶媒体「フラッシュメモリー」などの半導体事業だ。三重県四日市市の同メモリー工場を東芝と共同運営するWDが出資の有力候補だが、投資ファンドも関心を示しているという。

 経営再建の途上にある東芝にとって半導体事業は原発事業と並ぶ経営の柱。2016年3月期の売上高は1兆5759億円と、韓国サムスン電子に次ぐ世界シェア2位のフラッシュメモリーが好調で、今後も成長が見込まれる。東芝は分社化後も株式の過半を握り、影響力を維持したい考え。

 東芝は原発事業の損失で財務が悪化し、資本増強が喫緊の課題となる。既に医療機器子会社をキヤノンに売却するなどして大きな事業売却の手段が限られる中、半導体事業の分社化で資金を捻出する。身を切る再建策を示した上で、主力取引銀行にも資本増強を支援してもらうシナリオだ。

 だが、2月までに確定する原発事業の損失額が膨らめば「半導体事業の部分売却では済まなくなる」との指摘もある。その際は、新会社の新規株式公開(IPO)で資金を得る案もあるが、幅広く投資を募れば、東芝の新会社への関与が薄まって本体の稼ぐ力が低下するほか、海外企業の買収攻勢にさらされるといったリスクもはらむ。(万福博之)

東芝融資継続に一部銀行難色 経営再建への疑念 “一枚岩”になれず

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