
東芝本社が入る浜松町ビルディング=港区芝浦(斎藤浩一撮影)【拡大】
それほど東芝の“虎の子”事業が魅力的なのだ。スマートフォンなどに搭載するフラッシュメモリーで世界シェアはサムスン電子に次ぎ世界2位。スマホの大容量化で需要が急増し、今後もデータセンター向けなどでも成長が見込まれる。金融筋によると「市場価値は1兆5000億~2兆円」だという。
単純計算すると、2割の株式売却で資金調達額は3000億~4000億円。ほかにも子会社の株式売却や構造改革の先送りなどで3000億円程度の資金を捻出する。7000億規模で生じる可能性がある米原発事業の損失を埋め合わせる青写真を描く。
日の丸連合で支援も
だが、2017年3月期の債務超過を回避するには、資本増強を3月末までに済ます必要があることが、半導体新会社の株式売却に影を落とす。できるだけ高く買ってもらわないといけないはずが、時間的制約が弱みとなり、ファンドなどに買いたたかれる恐れがあるからだ。半導体事業の切り売りは切り札であり、失敗は許されない。
経済界には競争力の高いフラッシュメモリーを外資ではなく、日本勢が出資して支援すべきだとの考えも強い。リスクのある外資系ファンドや中国企業の出資を避けるため、手をさしのべる日本の取引先企業がさらに増え、金融機関を含めて日の丸連合で東芝を支える可能性もある。新会社へのキヤノンの出資検討の一報を聞いた財界首脳は「良いことだ。政府が動いたのかな」と語った。