【高論卓説】東芝、資金難なのに不可解な米社買収 どこにそんな余裕があったのか (3/3ページ)

2017.2.7 06:40


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  • 東芝の本社ビル=東京都港区芝浦(撮影・大竹信生)

 S&WはCB&Iが証券取引委員会に提出した資料によると、買収価格は2億2900万ドル(当時のレートで約270億円)。東芝のどこに、そんな会社を抱え込む余裕があったのか。

 2点目は負債の額だ。買収する場合はバイヤーサイドとセラーサイドのファイナンシャルアドバイザーや会計士が企業の財務内容を精査する。確かに資産や負債に対する評価方法によって違いはでるが、それでもきちんと精査されていれば、買収価格の数十倍の損失が発生するというのは考えにくい話だ。

 そして3つ目は問題となっているジョージア州とサウスカロライナ州の原発工事だ。この工事を08年に受注したのはS&Wの親会社で13年2月にCB&Iに買収された「ショー・グループ」とWHのコンソーシアムだ。WHは買収するまでこの2つの工事をめぐって「S&W」と争ってきた。東芝は買収後、「フルアー」の調査で損失が発覚したというが、果たして本当なのか。

 東芝は2月14日の16年度第3四半期の決算発表で損失額を含め、一連の問題を明らかにする。

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【プロフィル】松崎隆司

 まつざき・たかし 経済ジャーナリスト。中大法卒。経済専門誌の記者、編集長などを経てフリーに。著書は「堤清二と昭和の大物」「どん底から這い上がった起業家列伝」など多数。54歳。埼玉県出身。

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