
東芝の四日市工場の第6製造棟の完成イメージ(同社提供)【拡大】
経営再建中の東芝は9日、半導体を製造する四日市工場(三重県四日市市)で、記憶媒体としてスマートフォンなどで使われる次世代型製品「3次元(3D)フラッシュメモリー」を生産する第6製造棟を着工した。2期に分けて建設し、第1期分は2018年夏に完成する予定だ。
東芝は主力の半導体メモリー事業を今年3月末をめどに分社化する方針。第6製造棟の生産開始時期や生産能力などについては「市場動向を踏まえて決定する」としているが、3Dメモリーの量産加速で、韓国サムスン電子など海外勢との競争で勝ち残りを図る。
今春には第6製造棟の隣に3Dメモリーの開発センターも着工し、17年末に完成予定。18年度までの3年間で、米ハードディスク大手のウエスタン・デジタル(WD)と共同で四日市工場に約1兆4000億円を投じる計画だ。9日開かれた着工式典で、東芝の成毛康雄副社長は半導体事業について「最重要事業との位置付けは変わらず、四日市工場も今までと変わらない運営をしていく」と強調。「今後もメモリー市場で勝ち抜き、市場を牽引(けんいん)していく」と述べた。