
東芝の本社ビル=東京都港区芝浦【拡大】
東芝は、米国で巨額損失を計上する見通しとなった原子力発電事業について、原子炉など設備の新規受注を継続する方針だ。コストが見通しにくい建設工事は新規案件の受注停止を検討するが、国内で手掛ける廃炉の技術力を維持するため、一定の設備の受注は欠かせないとみている。ただし、従来の受注計画については縮小する方向で見直す。
東芝は米原発事業で7000億円前後の損失が発生する見込み。14日の2016年4~12月期決算発表で、損失の詳細や再発防止策などが公表される。損失を垂れ流す原発事業は海外事業を縮小してリスクを遮断する方針で、見直し策をどこまで示せるかも焦点になりそうだ。
海外での今後の新規受注について、建設工事からは撤退する一方、「完全にやめるというわけにはいかない」(東芝幹部)として原子炉など設備は受注を続け、30年度までに45基とする受注計画の下方修正にとどめる見通しだ。
東芝は国内で東京電力福島第1原発の廃炉を手掛けており、海外の設備受注から撤退して原子炉の設計や製造に関する人材や技術力がなくなってしまえば、長期にわたる廃炉に影響する懸念があるからだ。
海外では、巨額損失の元凶となった米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の株式の一部売却や、英国での原発計画の大幅縮小・運営会社の株売却など、将来リスクを減らす策を検討中。原発事業を分社する案も浮上している。