
2月14日には4-12月期決算発表を1カ月延期するとお詫び会見を行った綱川智・東芝社長だったが、再延期となる=東京都港区の本社【拡大】
経営再建中の東芝は14日、平成28年4~12月期決算発表の再延期を関東財務局に申請すると発表した。米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)で浮上した内部統制の問題をめぐり、米国の監査法人から了承を得られていないためだ。
綱川智社長らが同日夕方に記者会見し、再延期の経緯や今後の経営再建策などについて説明する。延長が承認された場合の提出期限は4月11日となる予定。これに間に合わなければ上場廃止が現実味を帯びる。
WHをめぐっては、原発事業で生じた損失額を確定させる過程で、幹部らが従業員に対して、損失を小さく見せるよう圧力をかけたという疑惑がある。
このため、2月14日に当初予定していた決算発表を今月14日に延期し、調査が続けられていたが、米国の監査法人は同様の問題が過去の決算期でも発生した可能性を問題視。東芝は、調査の完了や報告などに「さらに4週間程度の期間を要すると判明した」としている。
東芝は27年に不正会計問題が発覚した際も決算発表を2回延期した。度重なる失態で、企業統治への信頼は大きく揺らいでいる。