
建設中の新型原子炉を説明するウェスチングハウスの担当者=2013年、米ジョージア州のボーグル原発(吉村英輝撮影)【拡大】
経営再建中の東芝が米原子力子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)への米連邦破産法11条の適用を申請し、債務などを整理した上でWH株式を売却する方向で調整に入ったことが10日、分かった。巨額損失の元凶になった海外の原発事業から撤退し、損失発生のリスクを根本から断ちたい考え。
WHへの破産法11条の適用申請をめぐっては、WHが専門の弁護士と契約し、手続きの調査を行っているほか、東芝はWHに調査チームを派遣し、適用時の財務への影響額の精査を急いでいる。関係者と調整して近く最終判断する。
米破産法11条は裁判所の監督の下、債務を整理し、事業を継続しながら再建を目指す仕組み。WHに適用されれば、原発建設工事の遅れで今後発生する恐れがある損失を切り離すことができる。
東芝はWHの出資比率を現在の87%から引き下げる検討をするが、追加損失リスクの高い状況では株式の引き受け先はなかった。だが、債務をいったん整理して身綺麗になれば、売却できる可能性もでてくる。東芝は海外の原発事業を担うWHを非連結会社とし、海外の原発事業から手を引く方向で調整を進めている。株式の売却先候補には、韓国電力公社が浮上している。
だが、東芝は米国の原発建設でWHに約8000億円の債務保証をしており、原発建設から撤退すると発注元に違約金を支払う必要がある。
収益への影響額は不明だが、負債が資産を上回る債務超過状態の財務がさらに悪化する見通しだ。このため、銀行団に数千億円規模の追加融資を要請する検討に入っている。