
シャープの戴正呉社長=3月13日、堺市堺区(柿平博文撮影)【拡大】
平成29年春闘の自動車や電機など主要企業の集中回答日となった15日、シャープは労働組合に対し、賞与にあたる年間一時金について、平均4カ月分を支給すると回答した。労働組合の要求に対し満額回答で、前年実績の2倍。会社側は、配分は業績貢献度に応じ最大8カ月分から最小1カ月分と幅を持たせるとしている。
シャープの労働組合は、電機連合の賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)要求と歩調を合わせるのが困難と判断し、電機メーカー各社の労組でつくる電機連合の「統一闘争」から5年連続で離脱。経営再建を優先するため、ベア要求は8年連続で見送っていた。
シャープは28年8月に台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の出資を受け、業績は改善傾向にあるが、29年3月期連結決算も最終赤字を見込んでいる。一方、経営危機により継続していた一般社員給与の2%カットについて、昨年9月支給分から手当で削減分を補充し、実質的に給与カットを廃止した。